銀星亭~Villa d'Etoile en argent~

今朝もまた、順調にゲシュタルト崩壊(連作20首)

最後の夜 蝉は一晩鳴きとおし朝日の中で透明になる


中指をくわえさせてはぬばたまの闇の虚空にかかる白虹


最強と無敵は違う恋すてふ女子高生はやっぱ無敵だ


陰口、と言ひし少女のくちびるのなまめかしきを今も忘れず


破綻なき恋などまして望まない水面乱して夜に帰らな


入念に準備してたら君だってすぐおばさんになってしまうよ?


洋梨は完熟ほしいままにして夕日射しこむ厨のあるじ


霧の音はかそけく響く秋の野にひとり濡れゆく夕まぐれかな


私だけ何回旅をしただろう子らも業平も初めての旅


いくたびも交わり重ねにしことを秋の落ち葉のごとき相聞


少し硬い赤ワイン口の中に入れゆっくりひらいてゆく日曜日


コインパーキングのおっちゃんに貰ったメロンあめ
なめたら意外と酸っぱいこれ


髭男爵のひぐちくんみたいな店員がドア開けるとき、海鳴りふいに


タイル張りの道を歩けば、今朝もまた、順調にゲシュタルト崩壊している


厳粛な気持ちの中に奥歯なる米粒ひとつ気になっている


残り香がまとわりついてはなれない 朝の光を浴びてきたのに


君の手の小さきを思ふひとり来て夜の川面に手をひたすとき


やわらかき君の乳房に口づけて眼を閉じるとき夜もこわくない


満月が南中するときこの星のひずみがすべて解放される



ぼくらはきっと、弥生十日には戻れない。
かえれない、もう。もう、かえらない。
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by yoizukisaene | 2012-11-30 18:47 | 今日の歌 | Comments(0)
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静岡在住の歌人です。日々詠んだ歌を載せています。
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管理人プロフィール
《生まれも育ちも》
1984年、静岡県富士宮市生。
2006年3月、熊本大学文学部文学科日本語日本文学分野卒業。現在、静岡県在住。
2006年「短歌研究」誌掲載。
2009年「平成万葉集」(読売新聞社)入集。
2012年 歌集「高天原ドロップス」(文芸社)上梓。

《専門と専攻》
専門:日本古典文学(平安朝和歌文学)
専攻:「古今和歌集」とその表現

《師弟関係》
師事 安永蕗子
弟子 小海碧架
    まみ


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