銀星亭~Villa d'Etoile en argent~

手紙魔まみ、夏の相聞(地上500メートルの風)


その風がすべてをさらっていって今
指先だけにのこされた君 (まみ)


携帯を閉じたところで気が付いた
君の匂いをやどした指に




すこしずつ解かれてゆく糸のよう
この街も部屋もわたし自身も (まみ)


ゆっくりとしかしたしかに変わっていくよまちもあなたも生きているもの


触れられぬものが入っていますのでいまだかばんを開けられぬまま (まみ)


目を閉じて思わば逢えるああこれは
これはあなたの髪のにおいだ


もうすこし甘えることができるならあなたの胸で泣かせてほしい (まみ)


かけるべき言葉も知らず夕暮れの改札くぐる君を残して


無理やりな笑顔で「バイバイ。」
すこしでも傷つけばいいと思って放つ (まみ)


気付いてないふりしなければおそらくは別れることさえできなかったよ


三叉路を曲がったあたりで振り返るどっちに行ってももう戻れない (まみ)




君は泣きぼくもひとりで流すだろう 
いろはすみたいに澄んだなみだを
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by yoizukisaene | 2013-06-11 15:48 | 今日の歌 | Comments(2)
Commented by at 2013-06-12 20:01 x
(まみ)と書いてあるほうの歌はさえね先生(ってお呼びしても良いでしょうか?)の歌ではないんですか?

まみさんの歌は、なんとなくですが憂いを帯びた大人の女性の雰囲気がします
とても好きです。
Commented by yoizukisaene at 2013-06-13 06:46
 恵さん、いつもありがとうございます。

 手紙魔まみシリーズは、シリーズタイトルからもごらんのとおり、穂村弘先生の「手紙魔まみ、夏の引っ越し(ウサギを連れて)」へのオマージュとなっています。

 穂村先生の「手紙魔まみ」は、「まみ」から「ほむほむ」へ送られてきた「まみ」名義の短歌が載っています。読者は「まみ」の短歌を通じて、その向こうに「まみ」という少女のイメージ像を思います。

 私の「手紙魔まみ」では、「わたし」と「まみ」という女の子との短歌のやり取りという形式をとっています。ですからこの物語の登場人物は2人なんです。

 したがって、(まみ)と書いてある歌の詠み手は「わたし」ではなく「まみ」ということになります。

 「まみ」は女の子ですが、どんな女の子かは、ご想像にお任せします。それも含めてお楽しみください。
 でも、「憂いを帯びた大人の女性の雰囲気」なんて言われたら、「まみ」はきっとよろこびます。
 
 ありがとうございます。
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静岡在住の歌人です。日々詠んだ歌を載せています。
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管理人プロフィール
《生まれも育ちも》
1984年、静岡県富士宮市生。
2006年3月、熊本大学文学部文学科日本語日本文学分野卒業。現在、静岡県在住。
2006年「短歌研究」誌掲載。
2009年「平成万葉集」(読売新聞社)入集。
2012年 歌集「高天原ドロップス」(文芸社)上梓。

《専門と専攻》
専門:日本古典文学(平安朝和歌文学)
専攻:「古今和歌集」とその表現

《師弟関係》
師事 安永蕗子
弟子 小海碧架
    まみ


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