手紙魔まみ、夏の相聞(地上500メートルの風)その風がすべてをさらっていって今 指先だけにのこされた君 (まみ) 携帯を閉じたところで気が付いた 君の匂いをやどした指に すこしずつ解かれてゆく糸のよう この街も部屋もわたし自身も (まみ) ゆっくりとしかしたしかに変わっていくよまちもあなたも生きているもの 触れられぬものが入っていますのでいまだかばんを開けられぬまま (まみ) 目を閉じて思わば逢えるああこれは これはあなたの髪のにおいだ もうすこし甘えることができるならあなたの胸で泣かせてほしい (まみ) かけるべき言葉も知らず夕暮れの改札くぐる君を残して 無理やりな笑顔で「バイバイ。」 すこしでも傷つけばいいと思って放つ (まみ) 気付いてないふりしなければおそらくは別れることさえできなかったよ 三叉路を曲がったあたりで振り返るどっちに行ってももう戻れない (まみ) 君は泣きぼくもひとりで流すだろう いろはすみたいに澄んだなみだを
by yoizukisaene
| 2013-06-11 15:48
| 今日の歌
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《生まれも育ちも》
静岡県富士宮市生。 熊本大学文学部卒業。 2006年「短歌研究」誌掲載。 2009年「平成万葉集」(読売新聞社)入集。 2012年 歌集「高天原ドロップス」(文芸社)上梓。 《専門と専攻》 専門:日本古典文学(平安朝和歌文学) 専攻:「古今和歌集」とその表現 《師弟関係》 師事 安永蕗子 弟子 まみ 《著作一覧》 最新のトラックバック
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