銀星亭~Villa d'Etoile en argent~

真夜中のりんご紅茶

 真夜中の窓開けぬれど月もなし 空気透明 君去りし部屋


 切れた後のふっと一瞬この世で私は独りだけ だから携帯大嫌い


 ざくろの如き愛を交わして別れぬる
 君の背中に雪は降りつつ


 永遠という言葉をつかむ小さき手で焦土に倒錯す
 生ぬるきかな


 思いでもとろけるホットチョコレート 召しませこんな雨の降る日は



 十月の君の上着に包まれてドイツワインを注いでおりぬ

 
 何もすることが無い午後につながる幸せ 君の名はauという


 みだらかなワインの瓶を抱き寄せて どの思い出を愛撫するなり


 花冷えは少し早いと熱き茶をつぎし主任は五十五という


 アラビアンナイトの都燃やしつつ人の叡智は闇の中なり




 僕はアヴェマリアを歌う 犯罪者はブッシュとつぶやき死せる御母よ

  
 「何を泣くん、あんたはよくがんばったやないの」といわれて僕はまた泣く


 抱き寄せた君の唇冷たくて ふるえる髪の雨の匂いよ


 我を抱く君のその手が嬉しくて
 たとえこの夜が不実なるとも


 「誰も来ないといいね」「ほんとだよ」今宵我らは共に罪びと 



 芝居めいた台詞を吐けばそらぞらし何を思うて君は抱かれる


 セックスが好きってわけでもなかったと知った雨の日十九の夏よ


 「ハイライト」と「いいちこ」の味のクチヅケを召しませ雨が下なるこの夜 


 メロン味のガムほおばりて星見れば口溶けさやかな秋ぞ来にける


 心と身体は違うんだよってデカルトが言ってたあの秋の午後。
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by yoizukisaene | 2007-02-07 21:50 | 今日の歌 | Comments(0)
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静岡在住の歌人です。日々詠んだ歌を載せています。
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管理人プロフィール
《生まれも育ちも》
1984年、静岡県富士宮市生。
2006年3月、熊本大学文学部文学科日本語日本文学分野卒業。現在、静岡県在住。
2006年「短歌研究」誌掲載。
2009年「平成万葉集」(読売新聞社)入集。
2012年 歌集「高天原ドロップス」(文芸社)上梓。

《専門と専攻》
専門:日本古典文学(平安朝和歌文学)
専攻:「古今和歌集」とその表現

《師弟関係》
師事 安永蕗子
弟子 小海碧架
    まみ


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