銀星亭~Villa d'Etoile en argent~

カテゴリ:今日の歌( 652 )

春から夏へ。



雨を待ち葉桜となる春の夜の iPhoneは光る水面に近い



花散らす風は色こそ見えねども 春はアレグロで過ぎてゆくなり



初夏の風ふき渡る青空にはだかの心で飛び出してゆく



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by yoizukisaene | 2017-04-20 15:23 | 今日の歌 | Comments(0)

僕は歌を作るために来た

僕は歌を作るために来た ここへ来た
この星へ来た この朝に来た


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by yoizukisaene | 2017-04-09 10:56 | 今日の歌 | Comments(0)

菜種梅雨のころに




春なのに花が咲かない木だそうで
おまえすこしもさみしくないか



降りやまぬ雨の音きく四月なら水底カフェで時をくゆらす



限りなき罪を犯した鞘だからあなたの錆びた剣をおさめて



卯月待つさくら並木のまぼろしをこころにいだく雨の朝かも



時間潰しってことばがきらい
この世にはそんなにないよぼくらの時間



iPhoneの秒針みじろぐその時し
世界も共にみじろいでいる



きみでないきみに抱かれているぼくは
きみでないきみのものであること


ふるさとへ向かう列車を見送れば
今日もだあれも乗ってはいない




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by yoizukisaene | 2017-04-08 13:14 | 今日の歌 | Comments(0)

春のモルヒネ




かけねなしにいい酒だった
雪の夜 おまえと飲んだ七重郎は



きもちいいところにとどく
一枚の絵画のような
春のモルヒネ


ひとひらのうたを求めてさまよえる
ただそれだけでいきられるうた



どうしようもない怖さを抱え生きている
(世界がずざっとずれていること)



ひさびさのきみのくちびる赤くって
すこし動揺してしまいます



金魚鉢
乱反射するハルノヒを収束させて金魚は赤い





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by yoizukisaene | 2017-03-21 08:38 | 今日の歌 | Comments(0)

いちじくうに

無花果はいちじくとして死んでゆき
雲丹はうにとして生きてゆくなり
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by yoizukisaene | 2017-03-08 08:46 | 今日の歌 | Comments(0)

二月の夜に降る雨に


ひとくきのうたを抱いてひとり寝る 二月の夜の闇のしじまに


ひとすじの歌捨てられて
みぞれなす
二月の街の石畳かな



曇天の上では二千万匹のハリセンボンのこどもが泳ぐ



吾がもとむことばは何処(いず)や
この星に陽ささなくなりて六度目の春



朝(あした)ふるこの雨こそはあの夜に君が流した涙であった





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by yoizukisaene | 2017-03-07 15:32 | 今日の歌 | Comments(0)

2017年、歌いはじめ。


寒風の中であなたが触れてった頬の熱さは火傷のごとし


「あ」を押せば「会いたかったかもしれない」と予測変換される 逢いたい


ある日世界は私を残しずれていた 屋根まで飛んだ  壊れて  消えた


かくまでも紺碧の空 はつはるの朝のひかりをさいわいとする


鳩の血の色とも言はむルビをふり読みゆくことの業の深さよ


ふかふかの雪原に立つ君を抱きたがえた約束リストを燃やす
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by yoizukisaene | 2017-01-17 20:53 | 今日の歌 | Comments(0)

1立方メートルの空を切る

1立方メートルの空が降ってきて人をゆっくり潰してゆくの


    ・


1立方メートルの空切り取って下界に向けて落とす仕事よ


切り取ると少しだけ重くなるからね
自然に空からはなれてゆくの


その下にひとがいること知ってるわ
だけど仕方がないことだもの


たとえばこの大きなガラスあるじゃない?
こーゆー単位で切っていくわけ


雲の脈理ひとつもないとよっしゃって思ったりとかしますね、やっぱ。


地におちるすれすれのとこでふよんってとどまりますよ 空ですからね


まざりものやよくないものが多ければそのまま地面までいっちゃうという


明け方ね
朝に限るわ
純粋で透きとおる青い空を切るなら


いつの日か切れる青空なくなれば
私の仕事もなくなるでしょう


はつなつの明け方の空 君の名は未来としよう
それじゃあ切るね


切るという行為の意味を思ったり忘れたふりをしたりして切る


痛いって話はきいたことないし
切っててもそんな感じしないし


いっかいだけ細かく切ったことがある
そしたらすぐに消えちゃったのよ


君だけに教えてあげる(ないしょだよ)空は水からつくっているの


かなしみの空をかためて切り出せば空はかなしき水として降る


かなしみの果てぬ空より雨よ降れ
ひとのかなしみかき消すために


陽炎の感触にすこし似ているの
だから切らない小春日の空


うまく切れず欠片となったその空が
化石みたいにカチコチになる


夕暮れの空はあんまりもたないの
切られたそばから夜になるから


    ・


祈りましょう
きりとった空のかたまりが
今日も誰かの役に立つこと


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by yoizukisaene | 2016-10-12 18:06 | 今日の歌 | Comments(0)

秋の歌、五首。



ほんとうにゆっくりとゆく秋雲の上にこそあれ 亡き人の魂


螢火の暗きにともりまた消える
そんな人生だったと思う


僕たちの秘密かくした森の木が落葉するまで手と手をつなぐ


ずいぶんと遠くまで来てしまったね
すこしだけ君の横で寝かせて


夜が明けて次に目覚めるそのときはふたりはもとの二人にもどる
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by yoizukisaene | 2016-10-12 18:03 | 今日の歌 | Comments(0)

シチリアレモンジェラート

過ぎ去りし夏の残り香ながつきのシチリアレモンジェラート食べる
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by yoizukisaene | 2016-09-11 11:40 | 今日の歌 | Comments(0)



静岡在住の歌人です。日々詠んだ歌を載せています。
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管理人プロフィール
《生まれも育ちも》
1984年、静岡県富士宮市生。
2006年3月、熊本大学文学部文学科日本語日本文学分野卒業。現在、静岡県在住。
2006年「短歌研究」誌掲載。
2009年「平成万葉集」(読売新聞社)入集。
2012年 歌集「高天原ドロップス」(文芸社)上梓。

《専門と専攻》
専門:日本古典文学(平安朝和歌文学)
専攻:「古今和歌集」とその表現

《師弟関係》
師事 安永蕗子
弟子 小海碧架
    まみ


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