銀星亭~Villa d'Etoile en argent~

カテゴリ:今日のなんでも( 128 )

フェスティバル/トーキョー 「ブルーシート」 作・演出 飴屋法水 観劇

最終日の公演を見てきました。
廃校になった中学校のグラウンドに椅子を並べ、それが、芝居の舞台でした。

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きっと、いましか見ることのできないもの、なのだと思う。
このような物語と芝居に出合えたことを心から感謝したい。


思ったことを、箇条書きにして残しておこう。

・オリジナルのいわき総合高校のメンバーによるブルーシートは、やはり、すごかった。

・みんなで盛り上がる楽しいシーンは愛おしさすら感じるものだった。

・レイナの言葉の一つ一つが、かけがえのないものとして上演会場のグラウンドに溶けていった。

・震災直後の初演版と異なる後日談の部分も語られ、とても印象深いものであった。

・ヒッチーの妹(いわき在住)が加わることでよいスパイスとなっていた。彼女はとても頑張っていたといえる。

・ヒッチーが何度も大空に飛ばした無数のシャボン玉。なんてきれいな光景だったのだろう。夢か幻想のようなその光景が忘れられない。

・フミヤがクライマックスで何度も繰り返し叫ぶ「逃げて!」。あえて誤読するならば「逃げてえ=(自分が)逃げたい」ともとれるものだと思った。この最悪な地獄のような状況から「逃げてえ」と叫びたくなるようなそんな現実に、それでも彼らは向き合ってきたんだなあと勝手にしんみり考えた。

・「また生まれ変わったら人間になりたい人!」という質問に対して演者の何人かが手を挙げてくれたことに、なぜかとてもほっとしたのを覚えている。1年前、本校で演じた時には同じ質問に対して役者の誰も手を挙げなかったのである。

・ブルーシートは、やはり屋外でやるものだ。今日の東京の空は、あの日のいわきの空と、文脈上、つながっている。つながっているからこそ、やる意味がある。東京の空といわきの空が別の空だなんて我々は決して思ってはいけないのだ。


会場に来ていた本校の演劇部の生徒たちも深く得るものがあったことであろう。

自分が演じたキャラクターのオリジナルが目の前で動き、台詞を言い、人生を語りなおす光景を目撃し、その場に参加するという稀有な経験を彼らはつむことができた。これが彼らの人生にどれだけの影響を及ぼしていくものやら、私には想像もつかないことだ。

ただひとつ、今日の「ブルーシート」観劇が、私たちにとってかけがえのない経験であったことは間違いない。
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by yoizukisaene | 2015-12-06 17:22 | 今日のなんでも | Comments(0)

又吉直樹さん 小説『火花』芥川賞受賞おめでとうございます。

すらすら読めてしまった。

全編を控えめで臆病にもにた清潔感が貫いている。
少しも猥雑な感じがしない。世俗にまみれた舞台の中において、消えることのない清涼感。

意識的に描いたわけではないのだと思うが、無意識の領域にある汚濁への拒絶反応がみてとれた。

穂村弘の世界恐怖(世界音痴)にも通じるものがある、羞恥心に支えられた世界との対峙姿勢。

世界に突っ込んで行って削り取ることなどできない。したくない。

かすかにさわるだけ、いや、ふれることすらできない。いや、しない。したくない。

臆病とも羞恥とも違う、半透明なリアリティ。

それこそが2010年代のリアリティなのではないか。


又吉直樹『火花』はまさに時代と寝た小説といえるように思われる。
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by yoizukisaene | 2015-07-18 08:25 | 今日のなんでも | Comments(0)

年末年始

寺山修司未発表歌集「月蝕書簡」が手に入ったので、
年末年始は歌集を読んで過ごします。

どなたかがおっしゃっていたことですが、
(歌詠みの世界に)寺山修司から入ると、作風に絶大な影響を受けるのだと。

もちろん他の歌人でもそういうことはあるのでしょうが、
寺山や、あるいは石川啄木の歌には独特の魅力・魔性があり、
それは青少年の心ときわめて強い親和性を持つのだと。

読んでいてたしかにそう思います。
ああ、これは中・高生くらいの文学少年には毒であろうと。


静かなお正月です。
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by yoizukisaene | 2015-01-03 09:11 | 今日のなんでも | Comments(0)

「高天原ドロップス」について(あとがきより)

「高天原ドロップス」について


 私が最初に歌を作ったのは、高校生の時でした。
 その時以来、歌は常に私のかたわらにありました。

 歌というのは不思議なもので、ひょいひょいっとすぐに十首、二十首作れてしまう時もあれば、一方でなぜか全然歌が作れないときもあるのです。そんな時私も、自分には歌なんて作れないのだろうか、あるいは、やはりもともと向いていなかったのだろうか、などと一丁前に悩んだりするわけです。
 悩んでも歌が生まれてくるわけでもないので、仕方なく無理矢理歌を作ります。でもそうやって力づくで作った歌は、やっぱり出来が良くないのです。

 大学時代に薫陶を受けたわが師・安永蕗子先生は、
 ある歌会の時にこうおっしゃいました。


  歌を詠もうとしてはいけない。
  歌でなければならない。


 誰かに認められたいとか称賛されたいとか、そういった気持ちが、私のどこかにあったのだと思います。
 安永先生はそれをたちまち見抜き、野心にはやる若者をそれとなく戒められたのでしょう。

 誰かに気に入られようとか、誰かに褒められようとか、誰かにおもねろうとか、そういう気持ちがあった時、それは歌に現れ、それが歌を殺すのだと思います。
 
 無理矢理、歌を作ろうとしてはいけない。詠み上げた時におのずと歌になっていなければだめだ…。先生がおっしゃりたかった事はそのようなことではなかったかと思います。

 良い歌を作りたい、そういう気持ちは今も昔も、私の中にあるのだと思います。
 しかしそのようなことがあってから、少しずつですが、肩の力を抜いて歌と向かい合うことが出来るようになってきたように思います。


 「高天原ドロップス」は、私が十八歳から二十七歳までの約十年間に詠んだ歌の中から三百首あまりを選んで歌集にしたものです。
 実際に体験したこと、空想したこと、夢に見た光景、そのすべてが私にとっての「世界」です。
 と同時に、この世界は、美しい像を結んだその一瞬の後には跡形もなく消え去ってしまう、はかなく頼りないものです。でも私はそれを歌に詠むことで、その一瞬をつなぎとめておけるような気がするのです。

 私にとって、「歌を作ること」とは、自分の生きるこの世界と、より良く関わっていくことです。この生の時間のかけがえのなさを実感させてくれる大切な営みです。


 ありがたいことに、歌は、今日も私のそばにいてくれます。


 この本を手に取って下さった全てのみなさんに、心からの感謝の意をこめて。 


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by yoizukisaene | 2014-08-01 10:00 | 今日のなんでも | Comments(0)

遊び心。


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こういうのすき。

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by yoizukisaene | 2014-06-03 09:45 | 今日のなんでも | Comments(0)

卒業式



今日は高校の卒業式でした。
心配されていた雨も降らず、それほど寒くもなく何よりの門出であったと思われます。

見送る子、一人一人、みんな立派になって旅立っていきました。

卒業式は、やっぱり、いいなあ…


門出なる今日降る雨は花の雨
道も水面も花でかざれば
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by yoizukisaene | 2014-03-01 13:21 | 今日のなんでも | Comments(0)

誕生日。

誕生日でした。

多くの方にお祝いしてもらいました。
ありがとうございました。

いい1年にしたいものです。
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by yoizukisaene | 2014-02-13 07:11 | 今日のなんでも | Comments(0)

ねこ その2

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我が家のねこ その2です。
ブラックスーツを身につけたようなカラーで、ちょっと痩せ目です。
小さい頃はあまり人慣れしていませんでした。
最近は、すこしだけ、なついてきたかな…。
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by yoizukisaene | 2013-07-19 18:28 | 今日のなんでも | Comments(2)

うちの猫(その1)

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この春生まれた3兄弟(うち1匹は女の子)のひとりです。
けっこう美人です。
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by yoizukisaene | 2013-07-17 07:33 | 今日のなんでも | Comments(0)

石川啄木の歌

HKカルチャーラジオ 詩歌を楽しむ啄木再発見
青春、望郷、日本人の幸福(三枝昂之 講師)


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というラジオ番組対応テキストを書店で見かけたので、本だけ買いました。
けっこうおもしろかった。

やはり、石川啄木の短歌って独特の魅力があります。
啄木か、寺山修司から短歌に入った人っていうのは、なんか一生呪縛される気がします。
彼らの歌には、妙な求心力があります。

テキストでは、啄木の歌の3行分かち書きという形式についても述べられており、
内容については、なるほど確かにとうなづかされるものがありました。

初心者にも分かりやすく書かれているので、短歌や啄木に興味のある人は、
テキストだけでも読んでみてはいかがでしょうか。
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by yoizukisaene | 2013-04-25 11:25 | 今日のなんでも | Comments(0)



静岡在住の歌人です。日々詠んだ歌を載せています。
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管理人プロフィール
《生まれも育ちも》
1984年、静岡県富士宮市生。
2006年3月、熊本大学文学部文学科日本語日本文学分野卒業。現在、静岡県在住。
2006年「短歌研究」誌掲載。
2009年「平成万葉集」(読売新聞社)入集。
2012年 歌集「高天原ドロップス」(文芸社)上梓。

《専門と専攻》
専門:日本古典文学(平安朝和歌文学)
専攻:「古今和歌集」とその表現

《師弟関係》
師事 安永蕗子
弟子 小海碧架
    まみ


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