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銀星亭~Villa d'Etoile en argent~

春の海、東京は雪。

潮騒の下田の海の浜に出てまなこ閉じれば百年過ぎる

  • 海沿いを南へ向かう鈍行の扉ひらけば葉桜の駅

  • 相模灘 宇佐美の海の潮風の運ぶ海砂尽きるまで泣く

  • かにかくもお前が恋し浜辺にて砂山つくる親子見るとき

  • 春にして相模の海の浜に立てばうみねこよぎる潮風かな

  • かなしみもきたなきものも隠しては東京に降る三月の雪




  • # by yoizukisaene | 2020-03-25 16:18 | 今日の歌

    魂鎮めの歌


    魂鎮めの歌を詠まばや 言霊の幸ふ国に春が来るから

    ひさかたのひかりあふれる春の野に出でて弔ふ亡き人々を

    言の葉も歌もいのちも呑み込んだ太平洋は今日も蒼くて

    二〇一一年三月以前に戻らばや あのくだらなき幸せな日に

    ひとびとのたましいあまた吸い上げたあの日と同じあたたかな空


    # by yoizukisaene | 2020-03-11 18:08 | 今日の歌

    生徒のいない3月


    空の色は昨日と何も変わらねど生徒のいない三月が来る

    震災を知らぬ子どもも増えぬらむ弥生二日に降る雨の音

    早咲きの桜か桃か山野辺に霞たなびくひなまつりかな

    人影もなき学舎の庭に咲く去年と変わらぬ山櫻かな



    # by yoizukisaene | 2020-03-01 18:09 | 今日の歌

    冬の歌

    みぞれ降る朝の砂利道踏みしめて、踏みしめてゆくセンター試験


  • はつはるの海のごとくに国々もなほのどかなる年となるべし


  • わが心なぐさめかねつ霜月のみづうみ凍つるまでの十六夜




  • # by yoizukisaene | 2020-01-20 13:29 | 今日の歌

    秋の歌

    天が下なべて令風吹きわたり平らかにして和するを祈る

  • とぶとりの明日香の原の浄御原浄めの雨のふるよき日かも

  • 野分迫るその明け方にしずもれる庭の棗の実の赤さかも

  • いちめんに曼珠沙華咲く丘に立ち骨蒔きにけり老婆のごとく

  • この雨が上がるころには別々の道をいこうよ 晴れ空の下

  • したたるや春のはじめの山奥の雪解の水のそのはじまりは

  • # by yoizukisaene | 2019-10-29 15:31 | 今日の歌



    静岡在住の歌人です。日々詠んだ歌を載せています。

    by よいづきさえね
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    管理人プロフィール
    《生まれも育ちも》
    静岡県富士宮市生。
    熊本大学文学部卒業。
    2006年「短歌研究」誌掲載。
    2009年「平成万葉集」(読売新聞社)入集。
    2012年 歌集「高天原ドロップス」(文芸社)上梓。

    《専門と専攻》
    専門:日本古典文学(平安朝和歌文学)
    専攻:「古今和歌集」とその表現

    《師弟関係》
    師事 安永蕗子
    弟子 まみ


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