まみからの手紙、400通目(まみ)
Ⅰ
目を閉じて ひとりあの歌思い出せば やさしきあなたが ほら、すぐ、そこに さいごまでやさしい人は笑ってた 揺れる青 夏。 (あなたがいない) 水無月や ひとつ季節が過ぎ去って 夜にまぎれて泣くしかないの Ⅱ 誘われまた会えること願います あなたを思って眺む十六夜 そのすべて記憶するように触れてゆく 君の素肌の温度たしかに 涙ひとつ見せないあなたのやさしさに 最後のさいごまで甘えてる かんぺきな悲しみであってはいけないの 僕らをつなぐ歌をうたうよ さよならとあなたが言った ほんとうに最後なのだと知る さようなら またねってきみが手を振る改札は遠く とおくて 思い出せない Ⅲ 昨日から雨音だけが響いてる夏が来るのに枯れることなく 目を閉じて触ってみればあの人の口の温度を思い出してる 忘れないようにゆっくり落ちてゆく暗くて深い海の底まで Ⅳ 後悔をしていませんか わたくしは あなたのことを 愛してました お互いにおなじくらいのしあわせを分け合えたこと信じていたい ああ、神様 時間を下さい 涙さえ見せないあなたを抱きしめてたい 思い出せば息することもままならずこのまま沈んで落ちてゆけたら もうなにを言っても君を傷つけるだけなら針を飲んでしまおう Ⅴ たくさんの愛を与えてくれた人 運命とかを信じてみたい 薄雲の夕の風吹くこの部屋でたしかに感じる夏の気配を 永遠になった桜の夜がある 迷い込みましょう 手を取り合って (※詠んだのはすべて まみ)
by yoizukisaene
| 2013-06-29 15:59
| 今日の歌
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《生まれも育ちも》
静岡県富士宮市生。 熊本大学文学部卒業。 2006年「短歌研究」誌掲載。 2009年「平成万葉集」(読売新聞社)入集。 2012年 歌集「高天原ドロップス」(文芸社)上梓。 《専門と専攻》 専門:日本古典文学(平安朝和歌文学) 専攻:「古今和歌集」とその表現 《師弟関係》 師事 安永蕗子 弟子 まみ 《著作一覧》 最新のトラックバック
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